[本] 池谷裕二「だれでも天才になれる 脳の仕組みと科学的勉強法」

 池谷裕二はTBS系「ニュースキャスター」のコメンテーターとして見かける事がある脳科学者である。脳科学というとなんだか胡散臭いイメージがあるのだが、本書は100ページ足らずというお手軽さと書いてあることの無難さからいってそうそう悪い本ではない。タイトルのだれでも天才に、というのは、この手のノウハウ本のお約束であってツッコんだら負けだろう。
 
 脳科学に基づいた効率的勉強法というがそれほど特異なものはない。こんな劇的に効率アップする方法があったのか、やったぜ、というようなものを期待してはダメである。期待するわきゃないか。
 この本自体が2004年となかなか古い本で、それ以前からもこのようなことはいわれてきたのだろうし、この本やその他類書のノウハウが子引き孫引きされて巷に流布して、昨今ではネットの個人ブログやノウハウ系のまとめサイトとかに雨後の筍のように書かれ拡散しているわけだが、トンデモな知識でなければ庶民の教育水準の向上に一役買っていると言えるわけで悪いことではない。

 というわけでざっくりメモ。

①脳は基本的に忘れんボダから繰り返すことで記憶を強化すべし。
 繰り返しのタイミングとしては
 1.学習の翌日
 2.一週間後
 3.三週間後
 4.2ヶ月後
 以上4回がおすすめ。2ヶ月も経ったら忘れてる自信があるが。

②情報を入れるだけの知識記憶より、体験の中で得た情報のほうが覚えやすい。学習内容を他者に説明すると知識学習を容易に経験学習に変えられるので効果的である。

③視覚より聴覚。音読も定番の勉強法ではある。めんどくさいけど。動物は視覚より聴覚のほうが早く発達してきたからとかなんとか。意外と動物は目に頼っていない(おめぇ目が良すぎるんだby孫悟空)。野生動物がどうとか、原始人の生活がどうとかを現代人に当てはめる論法は個人的に胡散臭さを覚えるがそれはさておき。心を砕く過去の嫌なセリフがいつまでもリフレインするのもこのせいか。

④睡眠中に記憶が整理されるので睡眠時間は6時間以上は確保したい。
 睡眠中に学習内容が整理され、学習効果が増進される「レミニセンス」が起こる。したがって、同じ6時間の学習でも、まとめて一日でやった場合より、2時間ずつ3日でやるほうが間に二度睡眠を挟むので学習効果が高い。
 スマホのパズルゲームとか寝る前にクリアできなくて翌朝起きてからやるとすんなり解けたりすることはままあるがこれなんだろうか。

で、この整理整頓であるが、脳が勝手にやるばかりでなく意識的に工夫するのも重要で、

⑤情報のパッケージ化。断片的な情報を詰め込んで丸暗記するより、関連情報とつなげると覚えやすい。英単語などバラで覚えるより例文とセットで覚えると良いとかなんとか。

⑥情報の体系化。学習対象の概観を掴んでから細部の学習に移る。

⑦ノウハウ、手続きといった一連の流れを掴んで各局面を覚えるのも効果的。方法記憶。

 といったものがある。

 また、過去の学習との類似性・共通パターンなどが新規の学習を加速するなど、これらの情報のつながりが累乗的な学習効果を生むので、勉強の成果が見えるのは時間がかかるが一度伸び始めるとすごい。
 

⑧対象に興味を持つ。 

⑨感情を絡めると覚えやすい。歴史の勉強で例えば戦国武将などに感情移入すると記憶が定着しやすい。

というわけでこんな方法もオススメとなるわけだ。

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